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C'eravamo Tanto Amati

あんなに愛しあったのに

エットーレ・スコラの映画。

有楽町の今は亡きホテル西洋の映画館で観た。

物語

映画の映画で、4人の男女の物語。弁護士-政治家と成り上がろうとする男、陽気にその日を楽しく暮らせれば良い男、映画に人生を捧げる男、その3人の間を行ったり来たりする女。

映画は額縁で描かれる。裕福な男が自宅のプールに飛び込みを開始し、過去の物語(終戦直後のイタリア、モノクロの世界)、4人の若くて夢がある青春に始まる。舗道にチョークで絵を描く子供のシーン(多分クレーン撮影)でどんどん視線が宙からのものに代わりカラーになる(ここの音楽が見事に時代の切り替わりを表現していたような記憶がある)。成功したが家族を不幸にせざるを得なくなる成功者は別口。相変わらずだめな男、匿名で映画評論を書きなぐる男、女の3人が再会する。道路を歩いていると、そこで成功者の飛び込みが完了する。やれやれ成功者にはなりたくないですね、と肩をすくめて観客に解説する陽気な男。

というようにスクリーンの中から平然と観客に話かけるし、映画の中に映画はあるし、映画の中で映画が再現されるし(映画評論家になる男が、最初のデートのときに女性に、戦艦ポチョムキンの階段のシーンを再現してみせてみせる。あるいはデートをしていると、泉のところでマストロヤンニ(本物かな)とアニタエクバーグ(後姿だけなので多分にせもの)が抱擁していてフェリーニ(多分にせもの)が甘い生活を撮影しているとか)、豆知識あり(デシーカが自転車泥棒で子供を泣かせるために、すごい意地悪をしたこととか)、これっぽちも前衛的なことをせずに、映画の実験をしまくる。

成功者の妻が、廃車置き場で歌うか踊るかするシーンが異様に美しかった。

サントラ

Last modified:2012/12/23 01:19:42
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