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日々の破片

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2005-07-23

_ サーバー様

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物や概念に「様」を付けるとネ申が誕生するということを、おれは確かにこの眼で確認した。ありがたや。

物に様というと、軍服様に敬礼とか、貴様の体を軍服様に合わせるのだとかというような用例が先入見としてあるから、すごく気持ちが悪い。

それはともかく、これは構造も確かに同じだ。だからすごく不快な言い回しなのだ。

軍服様と言う(まあ、上等兵とかが言うわけだけど)やつは、二等兵の目の前にあるすさまじく窮屈でクビが絞まる3周りくらい小さい服のことを言ってるから始末に困るわけだが、その裏の妄念としては、文字通りこの軍服様というのが神からのタマモノだというものがある。実際には税金のなれの果てなのだが。(実際に物資が不足して何がなんでもそれを使わざるを得ないという場合とかもあるだろうけど、エクスキューズになってなさ過ぎる)

物に精神を注入してしまうということは、その物の実体を見失うことだ。楽だしな。考えなくて良いし(だからDIですよ)。様を付けた途端に絶対不可侵な神になるから、反論の余地もなくなる。

そこで、サーバー様に相談ですよ。

「なんか、同じ商品が3個分、明細に記録されているんですよ。でも実際には1個しか買ってないのですが」とクレジット会社に電話する。

「今、お調べしますね。ああ、確かに3個お買い上げになってますね」

「買ってませんよ。実際に1個しか届いてないし、それは通販会社の出荷記録を調べていただければわかるんじゃないですか」

「でも、3個お買い上げになられてますよ」

「買ってません」

「わかりました。サーバー様に相談いたします。ヒソヒソ。ちゃんと払え、ごるぁ」

とか

「永遠に再起動を繰り返すんですが……」

「わかりました。サーバー様に相談いたします。ヒソヒソ。天罰だそうです。功徳をお積み下さいませ。ガチャリ」

とか

「なんで、こんなわけのわからないクラスが出てくるんだ?」

「オブジェクト様のお告げです」

あ、これは見かけるな、実際に。

「なんで、ループの中で文字結合するんだ?」

「String様のお告げです」

とか

「なぜそこでrunを呼ぶ? startを呼ばなきゃだめだろうごるぁ」

「Eclipse様のお告げです」(アルファベット順ということか?)

_ 別のJavaブリッジ

yajb

javassistを使ってるところが特徴。

_ 大魔神

そういえば、「山神さまがお怒りじゃ〜、なんまんだぶなんまんだぶ」とたくさんの村人が地べたに這いつくばって拝みまくるって光景を思い浮かべやすい言葉だな。サーバー様って。

「サーバー様がお怒りじゃ〜、あなおそろしやなんまんだぶなんまんだぶ」と頭に注連縄と巻きつけた老婆が村の真ん中で大声を上げる。

飛び出す村人たち。

「ばばさま、何事じゃ」

「何事じゃ、何事じゃ」

あっというまに十重二十重に取り巻き不安におののきババサマの次の言葉を待つ村人たち。

「大変なんじゃ。村の周りに見知らぬ者ドモの足跡がたくさん見つかったのじゃ」

「なんとな」

「どこぞの不届き者じゃい」

口々に地団駄を踏みまくり踊りまくる無駄人たち。

ばばさま、得意満面に、

「わしゃな、さっそく、サーバー様を拝み倒してリファラログを見させていただいたのじゃ」

そこで一度黙って村人たちの顔を覗き込む。

固唾を飲む村人たち。

最初に口を切ったのはおっちょこちょいの吾作だ。いつものことだ。

「おお、見たのか、ばばさま」

やっと問い掛けてもらえてよほど嬉しかったのかばばさま、歯の無い口を大きく開けてそりゃあ嬉しそうに言ったもんだでな。

「おお、見たとも見たとも見やいでか」

ついに他の村人たちもわれ先にと放し始めた。

「で、どうだった?」

「どだったどだった」

ばあさま、大きく息を吸い込むと

「出てた、出てた、お告げが出てた」

と言ったもんだ。

「出てたか、出てたか」

「おお、出てた。やっぱり、そうじゃ、無断リンクじゃ」

それを聞くと、得心した村人たちはすぐさま

「おおそうか、やっぱり出たか、そりゃ一大事じゃ」

と自分んちの納屋めがけて駆け出した。そしてすぐに手に手に鎌やら鍬やらを持つと村の真ん中へ引返してきただ。おそろしかことたい。

「ばばさま、みんな用意はできた。さっそくリンクのお礼のお参りじゃ」

「お礼参りじゃ」

「お礼参りじゃ、ええじゃないかえじゃないか」

「それは違うがえじゃないか」

が、ばあさまは冷静だ。

「ま、待て、ゴンの姿が見えないようじゃが」

「お、そうじゃ、ゴンがおらんようじゃ」

「ゴンはどこじゃ」

と、よく見ると村1番の怪力の権の姿がない。

その時、裏山から巨大なサーバー様の御神体を手にゴンが走ってくるのが見えた。

「さすが、ゴンじゃ。大人衆8人がかりでも持てない御神体を独りで担いで駆けて来るわい」

「ほんに、立派なオノコだわい。わしがあと60若けりゃ逆夜這いをかけるというもんじゃに」

飽きてきた。


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