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日々の破片

著作一覧

2007-03-12

_ 今日知ったスタージェス

モーガンズクリークの奇跡 [DVD] FRT-086(ブライアン・ドンレヴィ)

アフィリエイト経由で買った人がいたので、スタージェスのまだ見たことがない作品のDVD化を知る。値段が安すぎるのでとりあえずカートへ入れておく。

で、アマゾンを見てみると、大好きなパームビーチの話はないようだが、サリバンの旅はあるんだな。

サリヴァンの旅 [DVD] FRT-136(エリック・ブロア)

これはおそるべきコメディであると同時に、たぶん、映画として表現されたコメディ映画作家の最も力強いクレドのひとつだろう。

サリバン(サリヴァンか)は、疲れ切った映画作家だ。プロデューサからは俗受けを迫られる。

「コメディを作れ」

「いやだ。映画は芸術だ」

映画とはなんだろう? と自問する日々。

ある日、パーティの帰り、泥酔して列車に転がりこんで寝込んだところを、泥棒に身ぐるみはがされてしまう(20年近く前に観た記憶なので間違いだらけだとは思うが)。

そのまま列車は南部に向かって走って行く。

「はい、お客さん、切符を拝見」

「ん?」

そのまま、捕まってしまう。「おれは、サリヴァンだ。ハリウッドに電話してくれ」

「それが何か?」

というわけで、そのままミシシッピの刑務所に入れられてしまう。強制労働と拷問の日々。

その間、サリヴァンを探してパニックになるハリウッド。

炎天下の荒野を鞭で打たれながらヘヴィーな農作業を続けるサリヴァン。回りの囚人たちも実は良いやつから鬼よりおっかないやつまでバラエティ豊かだけど、まあ、文化の香りがまったくしない世界ではある。南部はすでにアメリカじゃないのかも。映画の世界では。

取り調べに対して、ハリウッドを連呼するたびにしこたま殴られる。(南部には映画文化がないうえに、とにかく、身ぐるみはがされているせいで、浮浪者以外には見えないのが致命的)

サリヴァンの特徴的な靴を履いてたため、捕まる泥棒。色めき立つハリウッド。サリヴァンの行方の手がかり発見。

今日も、拷問用の縦にした棺桶みたいな箱にがんじがらめに縛られて入れられて、炎天下で放置されて苦しむサリヴァン。この地獄は現実のものなのか?

そんな苦痛の日々、囚人がみんなにこにこしてるし、看守までハッピーそうだ。

「今日はいったいなんの日なんだ?」

「映画だよ。映画の日だよ」

「映画?」思い出すハリウッドの日々。

薄暗く狭い室内に詰め込まれる囚人たち。かかるのは、確かミッキーマウスかルーニーチューンズか、どっちかのやたら古いやつ。

囚人も、看守も、それまでは子供向けのくず映画とまったく相手にもしていなかったサリヴァンまでもが涙まで浮かべながら笑い転げる。

そうか、これが映画なのか! とサリヴァンは、泣きながら、笑い転げている鬼より怖い看守や、刑務所長、普段はおっかない囚人やら卑屈な囚人たちを見渡す。コメディとは、こういうものだったのか。

ハリウッドの捜査網が、ミシシッピまでたどりつく。サリヴァンは無事、解放される。

笑顔で迎えるプロデューサ。

「まさか失踪するほど悩んでるとは思わなかった。で、次の映画だが……」

「コメディを作るぞ!」

おしまい。

#さすがに照れているのか気負ったのか、僕が観たことがある他のスタージェスの作品よりノリが悪い気がするが、それにしても、映画史的な作品で、やはりすぐれたコメディ(ヘヴィーな内容ではあるけど、コメディなのだ)だったと記憶している。

_ これもおもしろそうだが

同じくアフィリエイト経由で買った人がいた本。

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった(マルク・レビンソン)

ちょっと高いね。カートには入れずに、とりあえずメモしとこう。


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