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日々の破片

著作一覧

2008-04-05

_ iTunes更新

先日の許されざるバグを修正したと思われる(何を直したのかリリースノートを読んでもさっぱりわからない)バージョンが出たので更新。

しかし、こんだ取り込みを開始しようとすると10回に1回くらいいきなりCDがアンマウントされるという謎現象でうんざりする。そこではたと気づいたがPPC版のOS Xってアップルはまじめにメンテする気はないのだな。つい下取りに出さずにLeopard入れてしまったが(クラシックCDのジュークボックスにしたいので、タイムマシンが使いたかったのだ)、えらく失敗したかもしれない。

とりあえずディスクユーティリティを起動したままにしておいて、アンマウントされたらマウントし直すとかしながら、相当取り込んだ。AACの256Kにしてみたが、音が欠落するのは許せないが、やせるのは許容できるので、そんなものだろう。

しかし、ときどき、まったく役に立たないトラック情報を書いているのにあたるので、相当、CDDBに貢献してしまったというか貢献している最中というか。

たとえば、バルビローリのマーラーの9なんかひどいものだった(これは、貢献してないや。あとで気づいて直したので、CDが手元からゴミ箱へ行ってしまっていたし、さすがに拾い直す気にはなれない。というか、これで気づいたというか)。

マーラー:交響曲第9番(バルビローリ(ジョン))

クラシックの場合、重要なのは1に解釈者、2に演奏者だ。演奏者がだめだとひどいことになるが、通常、CDになっているものはある程度の水準はクリアしている。したがって、より解釈者が重要になる。次に、その解釈者の成熟度とか旬とかだ。

したがって、何はなくとも、だれがいつ解釈したCDか、が重要だ。

ところが、CDDBに入っていたのは、アルバム名:マーラー交響曲9番、演奏者:ベルリンフィルハーモニー、作曲者:マーラー、だけ。(日本語だった)

これ登録したやつはバカだろう。マーラーの第9かどうかは、聞きゃわかるんだから、そんな情報は不要だ(というのはうそだな。マーラーの9番を聴きたいな、と検索することもあるから)。

ところで、上のほうに、CDになっているものはある程度の水準はクリアしているとか書いたが、そうではない例を思い出してしまった。

手元にあるNHK響の60年代のイタリア歌劇のアンドレアシェニエのLPがそうだ。道化師あたりではそれほどあらは目立たないのだが、アンドレアシェニエほどの大作となるとひどいものだ。チェロは獣の医者になる前のゴーシュもかくやと思うほどだし、バイオリンも汚い。管ときたら。でも、歌はテバルディとデルモナコなんだよな。本当に音楽というのは不思議なものだ。

先日アイーダに行ったとき、一緒に行った人が、60年代にベルリンが来日したときの話をしてくれた。レコードと同じかそれ以上に揃っていて音が美しくてびっくりした、と。その時、そのアンドレアシェニエを思い出して、なるほど、そうだろうなと納得したのであった。

今や、日本のオーケストラは実に見事なものだ。分母がでかいということはこういうことなのかな、とか。

_ CDDBの仕組み

検索でトップに来るページが間違ったプロトコル(ネットワークプロトコルではなくCDからdiscidを求めるプロトコル)を書いているように思うので、メモ。しかし、本当に間違っているかどうかよくわからない点もあるので、リンクはしないし、特にアクションも取らない。

たとえば、次のような奇妙な現象に出会うことがある。バルビローリのマーラーの5番を取り込もうとすると、CDDBからはテンシュテットの5番だと言ってくる。いや、それ違うから、とトラック情報を送信しながら、最初に登録したやつはバカだろうとか思うとする。

でも、バカはテンシュテットと登録した人間ではなく、バカだと思っているこっちのほうの可能性がある。おそらく、バカだと思った側がバカだ。

マーラー:交響曲第5番(バルビローリ(ジョン))

(僕が持っている、もうすぐ廃棄する、のはリュッケルトの詩による5つの歌曲が入っている2枚組だが、すでにカタログにはないようだ。それにつけてもバルビローリは数少ない神の1人)

マーラー:交響曲第5番(テンシュテット(クラウス))

(テンシュテットって評価は高かったが、どこがいいんだ? 冷静なところかな?)

CDDBの流儀によって複数の方式があるようだが(おそらくここの正確性がCDDB設計者の腕なのではないかと思う)、一番入手が簡単なdiscidの求め方はfreedbのプロトコルだ。

僕はなんとなくISBNのようなものがCDに刻まれていて、それで一意性を求めているのだと想像していたが、それは違った。

freedbプロトコルでは、すべてのトラックの開始時間のハッシュ(ハッシュになっていなくて、サムというべきだが)と、CDの総演奏時間、それにトラック数からCDの一意IDを求める。

したがって、クラシックで似た演奏であれば、discidが一致する可能性はゼロではない。また、Windows固有の事情(総演奏時間を持つ疑似トラックをMCI経由では読めない)によってバグが入る可能性もある(おそらく、バグは入りっぱなしなのではないだろうか? freedbでいろいろ調べると微妙にidが異なる登録が複数されていることがある。CDドライブやファームウェアによっても異なる値が返ることもあるのではなかろうか)。

DiscID Howto

おそらく、iTunesが利用しているCDDB(Gracenote)は、freedbとは異なるプロトコルを採用しているように思うし、freedb2はfreedbプロトコルで求めたのとはまったく異なるdiscidが表示される(freedb2ってプロトコルが示されていないように見えるのだがどうなってるんだ?)。

_ おれはハッカーじゃないね

ピーターサーキンのゴルトベルクが、CDDBに登録されていなくてうんざりした。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ゼルキン(ピーター))

こいつの初版を持っている。1986年録音で、おそらく発売されてすぐ買った。PROARTEというレコード会社で発売はビクター音産だ。DDDだってことを除けばただのCDだが2枚組だぜ。順番はゴルトベルクのアリアから16までが1枚目、17以降とイタリア協奏曲が2枚目だ。

今では1枚か。順番も変わっているが、たぶん、正解だ。というのはイタリア協奏曲が見事だからだ。楽しいよ。

とはいえゴルトベルクも悪くないどころか良いできだ。元ヒッピーが髪の毛を切ってメガネをかけた良い男ぶりのジャケット写真とあわせて、理知的でありながら軽い。グールドみたいにどうとでも深読みができる重さはなく、軽い軽い。でも、それが良い。つまり1986年的な名演奏だ。

というのは、良いのだが、ゴルトベルクってことは、トラック数がそれだけで30あるということだ。

で、iTunesのユーザーインターフェイスが最悪だ。前の曲をコピペしてきてくれれば、変奏曲の番号だけ変えれば済むのに、全然そういう気の利いたことをしてくれない。

そこで、おもむろにiTunesの設定ファイルを探して……とかやろうかと思ったが、それをやるには、iTunesを終わらせたほうが良さそうだとか(オンメモリで退出時書き込みとかするかも知れないじゃん)、後先を考えるとなんか面倒になった。で、延々と使いにくいダイアログに打ち込みしていて(実際には、以前の内容を、覚えているので最初の1文字入れればコピペされるけど)、思ったことは、この使いにくさはわざとかも知れないな、ということだ。っていうのは、もし入力が簡単だったら、些細な表記ゆれだのなんだのにめくじらたてて修正(更新)通知をCDDBに送りこむ編集合戦とかが簡単に巻き起こりそうな気がしたからだ。

それだけ。

追記:2枚目は登録されているぞ。いったいなんだったんだ?

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ ムムリク (2008-04-05 14:46)

タイトルの、CCDBの仕組み、は CDDB のタイプミスでしょうか。

_ arton (2008-04-05 16:25)

どうも。直しました。

_ t-wada (2008-04-05 20:16)

ヲタの中でテンシュテットの評価が高いのは、ライブ版が凄いからのようです。ライブ版と比べるとスタジオ版は借りてきたネコのような印象、という評価が多いように思います(私もそう思います)。

_ arton (2008-04-05 21:02)

なるほど。>ライブ版が凄い


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