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日々の破片

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2021-09-05

_ 三体Ⅲと火の鳥未来編

そういえば三体Ⅲを読了しているのだが記録していなかった。どうも6月中には読み終わっているらしい。

三体Ⅱまでのおもしろさは、特にが抜群だったが、世界を変えるのは憎悪なのか愛(いや尊厳と言ったほうが正確かな。自己の尊厳を持つ者のみが他者の尊厳を尊重できるわけだから)なのか(それはすべてを破壊したいという衝動なのか、今あるものを護るという決意なのかと置き換えられる)という人類にとっての大命題を、人類の向こう側に正直者(極端な経済合理主義者と呼んでも良い)の三体人を配置することで最初は中国、そして全世界、さらには遥か数100年後の未来までの人類について考えてみた、ということにある。

が、Ⅲの死神永生はそこを遥かに通り過ぎて行ってしまってびっくりした。範囲を本当に宇宙規模に拡大しているのだ。

どんなに小さな星であっても、見上げた空のそこにあるということは美しい。

三体Ⅲ 死神永生 上(劉 慈欣)

が、おれはこれを小学生の頃に読んだな、という思いがどうしても残る。

火の鳥はラッキーなことにまだCOMの別冊(今でいうところのコンビニ漫画形式の総集編みたいにまとめたやつ。ただし判型はでかい)で1から順番に読むことができた。ただ、3だけは単行本化された正方形に近い妙な判型ので買った覚えがある。いずれにしても手元にはもう無い。が、死ぬほど読み返したので大体記憶している。

【カラー版】火の鳥 1(手塚治虫)

1の黎明編は、南方からやってきたナミとナギの姉弟(だと思うがさすがに曖昧だ)から始まる。多分、イザナミとイザナギで、ナギは素戔嗚尊の役回りも持っていたし、それにあわせてナミは当然天照大御神の役回りも持っていた(と記憶している反面、卑弥呼の役回りの人が天照大御神の役回りを兼ねていて、かつ卑弥呼とナミは別人だったような)。あと、弓彦というグリーンアローのようなロビンフッド(反体制派ゲリラ)と、猿田彦、そして半島から騎馬軍団を引き連れて侵攻してきた邇邇芸命(神武天皇でもある。本筋とは関係ないが、現在の大和民族起源説とは異なる起源説が元ネタになっているのだろう)がすべてを薙ぎ倒して国家を建設する。

(ここまで書いて書影を取るのでアマゾンを見たら紹介文にヒナクとナギの姉弟と書いてあって、??となった。ヒナクというのは確か穴の中で弓彦と生活することになるのではなかったか。ということはナミというのはおれの想像による補完で、あくまでも天照大御神の役回りは卑弥呼だな。)

と言う具合に、古事記と日本書紀と当時の古代日本史観を混ぜた大きな物語(憎悪と愛の物語である)に永遠の生命を与える火の鳥(卑弥呼が渇望し、弓彦が射に行き、邇邇芸命は断固として無視する)を絡ませて抜群におもしろかった。

で、未来編を買って読み始める。

というか、なぜ1の黎明編(日本の黎明という意味だろうということはわかる)の次が未来編なのだ? とは不思議に思うのだったが(その後、過去-未来を交互に繰り返して最後に現在へつなげる大構想の下に書かれた作品だと知る)。

火の鳥2 未来編 (角川文庫)(手塚 治虫)

で読み始めると5大陸それぞれがコンピュートピア化されていてあっという間に世界大戦がはじまり人類が滅亡してしまう。

はぁ?と思う間もなく、火の鳥の血を飲んだため永遠の生命を持つことになった男がさまざまな試行錯誤の末、人類を再創造する(アミノ酸を海に流すシーンは忘れられない)。この作品の時間のスケールには本当にびっくりした。

まさに、三体Ⅰ、Ⅱに対してⅢだ。


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